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森林問題
【問題意識】
私は1000年先の未来を考えてのまちづくり、未来から今を見る視点のまちづくりを実行していくというキーワードで森林問題をとらえてまいりました。以前にも申し上げましたが、奈良の正倉院には1250年前の和紙に書かれた書物や建物が今も完全な形で残っています。ということは、これから1000年たっても生き続けられる技術や文化の伝統を遺産として持っているということになります。1000年というタイムカプセルのような話の中にこそ現代に生き、混沌とした時代を解明したり改革するための重要なキーワードが隠されています。それは自然と一体となって生活している人間としての根源がここにあるからであります。
私たちは飯能に住み、無意識のうちに貴重な緑の森と山と土、そして、どこにも負けない水の恩恵を受けています。当たり前の自然の恵みにありがたさを知り、西川の森を代々受け継いできた人々に深く感謝する思いが1000年先に誇れる飯能のまちづくりの原点にしたいものと考えます。
私の住む中山でも、30年以上前に里山の下草刈り、枝落としや間伐を当時の青年会活動としてやっていました。その当時、ボランティア活動であるとか、森や里山を守るためという意識はありませんでしたが、日常の当然のこととして参加していました。まさしく原点は身近なところにあります。今、忘れているものはこれだと思います。
この飯能の豊かな自然の環境で育つ子供たちの姿、貴重な森や里山を守っていく躍動する作業の姿を想像したとき、私は緑と土、水の関係について改めて考えさせられるものがあります。
先日、新聞のコラムで日本の山が腐っているという見出しがありました。そこでは山が荒れている。人工林が間伐されずに放置され、野性動物の食物が茂らない、真っ暗な森林が増加している。今、山が腐っている、と述べ、人間と自然の関係に赤信号がともっているとも指摘しております。
飯能市においてはどうでしょうか。やはり高齢化で手入れが届かず、さらに大量の外材輸入で木材価格は暴落しております。それだけが原因とは思いませんが、山の荒廃は確実に広がりを見せています。また、外材の産地では地球規模で緑が失われ、砂漠化も広がり、生物の大半を占める熱帯林が広範囲に消えています。環境問題としても国際的協力が強調されまるでになった森林資源を、健全な形で次の世代に継承していけるかどうか危惧されているところであります。
飯能市の森林面積は、名栗村と合併すると市域の4分の3と言われています。公有林や個人所有の民有林と区分されていても、市民全体の共有の財産という視点が求められています。
これまで森林は木材を提供するという経済面ばかりが取り上げられていましたが、今日では改めて水資源を蓄え、水害や山崩れの防止、炭酸ガスを吸着して温暖化を防止するという山の機能として貴重な環境面の重要性が高まってきました。例えば、ブナ林は「緑のダム」と言われ、保水能力が極めて高く、地球環境に役立つことが言われているが、人工造林されるケースはないそうです。それは経済的価値が低いということであります。台風の被害と森林の保水能力とは密接な関係があります。降った雨を樹木が蓄え、落ち葉や土、地下に保たれ、徐々に時間をかけて川に流れ、洪水調節を行います。針葉樹と広葉樹のまじった森や、新たな広葉樹を導入した森づくりが求められています。
手入れ不足の山は災害時の被害を増大させ、市民全体にツケが回ってくる。それを解消するために森林計画は50年以上の長期計画で行うべきと言われております。市民全体で共有財産である山を守り育てようという意識を持つことと、具体的な行政施策が今こそ必要な取り組みと考えます。
【提案】
そこで、森林に対する公的支援とともに、市民参加だけでなく広く守り育てるための整備費用の分担、企業、都市部の人たちの受益者による森林整備費用の分担、緑の基金の活用等考えられます。
近年、市民レベルでは地元のみならず、都会の人たちをも巻き込んだ森林ボランティアが実績を上げています。林業家や森林インストラクターという資格者の指導のもと、企業ぐるみ、学校や地域ぐるみで参加して山仕事に取り組んでいます。参加目的はさまざまですが、森林と里山のことを知りたい人、森林の環境保全に興味がある人、いずれも森林づくりを通して緑の大切さを理解しているようであります。また、同様に間伐体験ツアーで水源池の森を守ろうという活動も聞いております。
このような活動への参加は、森林への理解を深める第一歩でもあり、今後の政策を展開する上で心強い援軍と思います。県においても山林整備の目的で環境税の創設を目指しています。森林の多面的機能の維持からと思われます。森林の公的機能の維持・増進などには巨額の経費が必要であります。健康な森林整備と森林の大切さのPRで県民意識を高めることに主眼を置き、森林の循環利用の維持に不可欠な木材利用を積極的に進めるとして取り組んでいることと思います。
(平成16年12月の一般質問より)
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