◎市政に対する一般質問(平成13年9月)

質問事項 質問要旨
1 国内都市との交流について 身近な歴史を生かした都市間交流について
2 行政改革 やる気の出る評価システム 職員研修で人づくり。

○一番(加藤由貴夫議員) 議長のお許しをいただいたので、一般質問をいたします。
 質問に入る前に、市長におかれましては、七月の市長選挙におきまして御当選おめでとうございます。飯能市を心の休まる、住みよい環境づくり建設に向けて、執行部、職員、議員一体となって邁進していく先導者として力強いリーダーシップを御期待申し上げます。
 それでは、通告順に従い、最初に国内都市との身近な歴史を生かした都市間交流についてお尋ねいたします。
 沢辺市長は、県議会議員時代に、埼玉県出身の偉人、薬学者津田恭介先生と埼玉の偉人の顕彰についてとした一般質問をされました。そして、この沢辺質問をきっかけに、埼玉県では、彩の国偉人を生かしたふるさとづくり事業が立ち上がったと伺っています。これは、県の新規事業で、一般に余り知られていない県内の偉人を発掘し、地域文化の振興に生かす事業です。そこで、ここ飯能に生まれ育ち、徳川家康に気に入られ、徳川御三家の一つである水戸藩を盛り立て、水戸光圀の附家老として活躍した飯能出身の中山信吉公の経歴と水戸藩とのゆかりや歴史を生かした都市間交流についてお伺いいたします。
 中山信吉は、水戸光圀の附家老として、また信吉の子供たちは代々、今の茨城県高萩市にあった松岡城主として水戸藩の附家老を務めました。そして明治になって最初の茨城県知事は信吉の末裔が就任したほか、信吉を初めとする中山家の一族の活躍は、茨城県では顕彰されています。高萩市では、中山公を地元の偉人として大切に扱っております。飯能市と高萩市の関係では、以前からも民間の草の根交流を初め、過去大勢の議員、職員も訪問してきたと伺っています。私も二十数年前から地元の青年会活動の中で、地域の歴史を学んでいるときに、中山公の活躍を知り、その後はテレビで水戸黄門を見て、その存在に親しみを覚え、誇らしくも感じていたところであります。
 今回、私も立場を変えて、改めて高萩市とのかかわりに深く興味を持ちました。中山公とその一族の功績は高萩市では高く評価され、六月には高萩市教育委員会発行の中山公の顕彰を書き記した小冊子が我々の手元にも配付されています。本来ならば、飯能市で発行すべきと思われる内容に深く感銘したのは私だけではないと思います。先般、私も高萩市を訪れる機会があり、高萩市長を初め、執行部ともお会いいたしました。飯能市との歴史を中山公を通して共有し、中山公を大切にしている数々のお話をお伺いして飯能市との友好関係を深め、姉妹都市締結を切実に希望している感触を得ました。
 市長が薬学者津田恭介先生を顕彰したように、飯能の誉れである中山公とその一族の偉大な足跡と業績を多くの市民の皆様に知っていただきたいのであります。また、飯能の郷土の誇りとして、愛着を持ち、歴史で結びついた高萩市との関係を、飯能市の教育の中で、改めて歴史と文化の振興に生かしていただきたいと思います。飯能市と高萩市との友好関係を深めていったら、すばらしいまちづくりの一端になると考えますが、いかがでしょうか。
 私は、六月議会でも質問させていただきましたが、飯能市では平成十六年に市制五十周年を迎えます。なお、埼玉国体ホッケー会場として全国から選手や応援の皆様を迎えます。この年、平成十六年に間に合うような高萩市との友好関係づくりを提案いたします。こうした交流の機会を生かして、地域の歴史を改めて見つめ直し、新たなふるさとづくりにも役立てていきたいと思います。ふるさと飯能の大いなる偉人、中山信吉公とそのゆかりを生かした施策を考え、飯能市の活性化にも結びつけていただきたい、市長の積極的なお考えを示していただきたいと思います。
 二番目に、行政改革の中で重要と思われる職員研修で人づくり、やる気の出る評価システムについてお尋ねいたします。昨年十二月に、政府の行政改革推進本部の原案が閣議決定されました。その中の公務員制度改革では、地方公務員制度の抜本的改革の中で、信賞必罰の考え方にのっとった仕組みを導入することが盛り込まれました。そして年功序列の廃止といった、今までになかった制度を取り入れ、リストラも含めた厳しい改革がいよいよ動き出します。その意味では職員教育の重要性が今まで以上に求められています。この改革の意味は、戦後五十数年がたち、政治や経済、社会のあらゆる仕組みに制度疲労が起きたものを新しい仕組みに変えていこうということであります。特に自治体にとって今までは、自治体間の競争という考えはほぼ無縁だったと思います。横並びで、隣との比較で満足していたと考えることはなかったでしょうか。そこからの脱却は、新しいルール、すなわち公平、公正なルールと透明性の高い組織の構築であります。すなわち本来のリストラ、意識の再構築であります。民間企業では競争はごく当たり前で、競争の中から新しい手法を生み出して、常に消費者が望む改良を重ね、経済もそれにより活性化してまいりました。言いかえれば消費者は市民でもあります。未曾有の不況の中で、デフレは進行して、町の経済も青息吐息であります。民間ではやるべきことはやっていて、リストラ等の構造改革もいよいよ限界を迎えています。
 そこで、地方自治体でも民間の経営感覚を取り入れなければならないし、それができなければ自治体も生き残れない時代が来たのではないかと思います。このように自治体職員にも今までとは違った公務員制度の環境への変化が求められています。飯能市での職員研修の取り組みの現況と成果はどのようになっているのかお伺いいたします。また、予算はどのくらいつけているのかお伺いします。地方自治の経営の真価がいよいよ試されるこれから、人的資源である職員の質を高めるのに、今以上に予算をかけ、研修制度の充実を図る必要があると思いますが、お考えをお伺いいたします。
 飯能市では、幹部を対象にした職員研修で、数値目標を立てさせ、職員のスキルアップを目指していると聞いています。しかし、大手民間企業では当たり前の取り組みであり、心配なのは目標設定のレベルの高さであります。研修後の感想で、「まず目標設定が大切であり、余り高い目標を設定せず、実現可能なものから」という言葉がありました。甚だ心配であります。まず、目標や目的意識を高く持っていただきたいと考えます。これからの職員研修の柱として、密接に関係している政策立案能力の強化が必要だと思います。理念や理論、技能の向上も必要です。法律や条例をよく読んで忠実に仕事をすることはもちろんでありますが、独自の政策立案ができる能力を身につけていただきたいと思います。特に失敗を恐れず頑張った職員を評価できる仕組みを設け、失敗しても積極的にやった職員を認める制度づくりをしていただきたいと考えます。幾らよい方法でも実行しなければ何の役にも立ちません。何もしない、エラーしないことが正しいのか、そうではありません。そうしないと活性化した職員が生まれてこないと思います。常に刺激し合えるシステムがないと将来への明るい飯能市の展望が開けないのではないでしょうか。飯能市が自主的、自立的に生き生きとしたまちづくりを積極的に推進していくためには、今最も必要なのは誇りを持って仕事をすると同時に、まだまだ住民のニーズにこたえ切っていないという謙虚さを保っていくことが大切なことではないのでしょうか。
 アメリカでは、行政のリストラが民間のコンサルタント会社によって行われています。日本でも、漫然とした目的意識のない自治体には民間によって積極的に機構改革を受ける時代が来るかもしれません。そうなる前に、予算のゼロベースでの見直しを初め、挑戦的な政策提案をしていってほしいと願うものであります。自治体合併や、あるいは合併によらない広域行政等もいよいよ論議され、視野に入ってまいりました。自治体として生き残るには、将来に対する厳しい覚悟と備えが必要であります。
 そんな状況の中で、今以上に情報公開を進めながら、職員同士刺激し合って、飯能市を力強く、躍動感を持って改革するという目的意識がなければ、未来の明るい展望は開けないと思います。市民から職員に求められているのは自覚と誇りです。職員として、謙虚に、自分を高く評価し、政策提言を積み重ねていくことは職員の研修制度と表裏一体であります。市外の方に飯能に住みたい、また市民からは住んでよかったと思われるまちづくりを、市民とともに、そして我々議員とも一体となって目指していこうではありませんか。
 職員のすぐれた資質と能力を生かすためにも、一人一人が経営者としてどうすべきかを考えてもらうことであります。かつて、松下幸之助氏は、「政治、行政の生産性を高めるのが大事」と言っています。生産性の高い自治体経営を目指していくには、人づくりが大切であります。
 意識改革に近道はないと考えます。人づくりは組織全体が経営理念を共有するところから始まります。妥協と迎合では人は育ちません。
人が育ち、組織を活性化するためには、まずトップからミドル、第一線と仕事に対する厳しさを維持する仕組みが必要ではないでしょうか。特に市長の姿勢は、市民はもとより、職員に勇気と希望を与えるものと思われます。そこで求められる職員像と失敗を恐れず、積極的に働くことができる評価づくりへの環境整備に対して、市長のお考えをお伺いいたします。
 これで一回目の質問を終わります。
△議長(安藤久夫議員) 答弁に入ります。
 市長
●市長(沢辺瀞壱君) 加藤議員の市政に対する一般質問のうち、一、国内都市との交流について、身近な歴史を生かした都市間交流について、二、行政改革、職員研修で人づくり、やる気の出る評価システムについて、私の方からお答えをいたします。
 加藤議員におかれましては、高萩市に行かれるなど、国内友好都市の実現に大変御努力されていること、また私の県会議員時代の活動を評価していただきましたことなど感謝を申し上げる次第でございます。また、高萩市の郷土史や観光協会等の関係者が何度か本市を訪問していただくなど、各方面での交流の積み重ねや歴史が既にあります。本市の今までの取り組み状況についても私も聞いているところでございます。
 高萩市につきましては、本市出身であります中山家とのつながりによって、歴史的な関係が深い市であり、市内には本市にあると同じ名前の神社やお寺があり、また海にも面し、海水浴などができる海岸のある自然豊かな市であると聞いております。国内都市との交流を通じまして、情報交換や視野の拡大、あるいは災害時の相互応援など、また子供たちの交流など可能になるのではないかと考えております。また、郷土出身の偉人が両市を結んでいるというようなことも、私たちにとりまして誇りあるまちづくりという面で大変すばらしいことだというふうに思っているところでもございます。
 本市といたしましては、市制五十周年の記念行事の一つとして位置づけ、相手があることでございますが、積極的に取り組んでいくように担当部に指示をしたところでございます。
 次に、職員研修で人づくり、やる気の出る評価システムについてお答えをいたします。加藤議員の自治体経営と自治体職員のやる気につきまして、大変格調の高い、また気合の入った質問をいただきましてありがとうございました。御指摘のように、昨今、自治体間格差が問題にされておりますけれども、私は自治体間格差は人材格差であると言っても過言ではないほど、これからの自治体運営には職員のスキルアップが強く求められていると思います。
ますます厳しさが増す財政事情の中で、職員も少数精鋭化を図っていかなければならないと考えております。また、こういう時期であるからこそ、知恵を出すということが大事ではないかというふうに思っているところでもございます。国の公務員制度改革案にありますように、年功序列の廃止、そして能力主義、成果主義、信賞必罰の導入は当然のことでございまして、そのための意識改革が急務であると思っております。
 求められる職員像との御質問でございますが、私の基本にありますのは、従来の公務員像を払拭していきたい。そして具体的には規則を遵守することはもちろんでございますけれども、それだけではなくて、それ以上に人の心のわかる、情のある職員になってもらいたいと考えているところであります。
また、サービス精神旺盛な職員、すなわち市民の方々をお客様として扱いができ、真に市民の方々のために働いたり、助言することができる職員になっていただきたいと考えております。そしてそのほかにも職員に求められる資質としては、一つ、倫理観、二つ目、経営感覚、特に競争心とコスト意識、三つ目に広い視野、四つ目に創造性、五つ目に専門性の五項目だと思っております。それらを職員に求め、広く研修等を実施していきたいと考えているところでございます。
△議長(安藤久夫議員) 総務部長
●総務部長(浅見幸一郎君) 行政改革の中で、職員研修で人づくり、やる気の出る評価システムについてであります。おただしいただきました中から五点、私からお答えをさせていただきます。
 まず、職員研修の取り組みの現況と成果についてであります。我々公務員の使命は、市民福祉の増進を図ることであり、最小の経費で最大の効果を上げることであります。いよいよ地方分権への積極的な対応、また、もはや右肩上がりではない財政の状況下でありますので、過去をよりどころにするところの前例踏襲型の思考では、行政を前に推し進めることはできないわけであります。そこで職員には、激動する社会の変革に対応できる自己改革、斬新さ、機敏さ、たくましさを求めております。こうした角度から職員研修をとらえまして、本年度より大手民間企業の幹部として、しかも社員教育にも携わってこられた増田時夫氏を職員課の嘱託でお願いをいたしまして、世の中の厳しさや民間企業の血のにじむような努力等、また市民の目線に立った仕事ができるように心構え等を指導していただいているわけであります。そして現在、特に、係長職から部長職までの全二百三十人を対象にいたしまして、目標による管理をメインテーマとした二泊三日の研修十回、すべてのカリキュラムをお願いしているところでございます。
 このほかの研修におきましては、従来どおり一般研修、派遣研修、自主研修にも力を注いでおりまして、習得いたしましたことは、当然その成果として、市民サービスの向上、血の通った活力ある市役所づくりの原動力になっていくと確信をしております。
 次に、二つ目の職員研修の予算とその必要性についてであります。従来、研修予算は五百万円程度で推移してまいりました。今年度、内々では研修元年と位置づけまして、厳しい財政状況の中で百五十万円アップの六百五十万円ほどをいただきまして、新たな研修体制のもとにスタートをいたしました。小泉総理の、いわゆる米百俵ではありませんが、職員研修は重要な施策の一つであると認識をしております。民間企業においては、人づくりを最も重要な先行投資と位置づけているわけでありますが、自治体にとっても市長答弁のとおり、今後さらに少数精鋭でなければならないと考えます。日本の一流企業の研修費は年間一人二万円と言われておりますが、自治体では一人一万円が平均でございます。近隣自治体もほぼこの程度でございます。当市が今、職員六百九十名でありますから、ほぼ近隣市並みということが言えます。研修は継続とフォローが大切でありますので、本年度スタートいたしました階層別の集合研修は今後とも継続をして、さらに管理職、係長から主任クラスへと広げて、積極的に推進していく考えでおります。
 次に、三つ目の目標設定のレベルについてであります。御指摘のとおり、目標は高いものでなければならないわけでございます。目標による管理では、一人一人の能力を勘案しながら、一二〇%の目標をねらいとしております。しかし、年間目標は複数を設定いたしますので、すべてが高い目標ということではなく、中にはやや無理のない程度の目標や意識的に非常に高い目標を設定することもあります。それは、年度末の評価の段階で、余り高い目標のためにすべて目標達成度が五〇%とか六〇%ということになりますと、士気にも影響いたしますし、逆に一〇〇%ということになりますと、本人が喜び、充実感を大切にすることによって、自信にもつながってまいりますので、目標のグレードはさまざまであります。ただし、目標設定時に、目標の難易度についてA、B、C、D、Eの五段階を目標ごとに設定しますので、例えばC、Dというように低目の目標を設定してすべて一〇〇%達成いたしましても、難易度が低いわけでありますので評価は百点にはならないわけであります。逆に、難易度Aという非常に高い目標にチャレンジしたときは、達成度が低くても評価点は高目に出る仕組みになっております。いずれにいたしましても、目標による管理は職員の能力開発、意識改革をねらいとしておりますので、高い目標を設定して、それにチャレンジすることが基本でございます。
 次に、四つ目の人事評価制度についてであります。新行政改革大綱の中にもありますように、平成十四年度から目標による管理を導入する予定であります。御案内のように、この手法は民間企業では十年、二十年の実績がありますが、自治体では緒についたばかりというところでございます。県では、平成十一年度試行、十二年度から実施に入っております。目標による管理はその導入によってさまざまな効果が期待できるわけでありますが、当市においては、当面一つとして目標の共有化、いわゆるベクトル合わせ、二つとして能力開発、三つとして意識改革を目的としております。そして二次的には自己実現、能率向上、能力主義、成果主義への活用、さらにその延長線上では人事評価制度の導入を視野に入れております。したがって、当面はプロセス重視、能力向上をねらいとして、定着後は結果重視、業績志向、そして評価制度への活用を考えております。
 次に、五つ目の失敗しても積極的に努力した人を評価するような制度をという御提案でございます。
人事評価制度の導入は、公務員制度改革の柱でもあり、時代の流れからしても避けて通ることのできない道であります。したがって、将来的には従来の年功序列型を廃止して、能力、業績を反映した新しい給与体系、昇格、昇任制度の構築等々、人事制度全般を見直す必要が出てくるわけであります。そこでこの人事評価制度で最も大切なことは、公平性、納得性でありますので、いかに客観的評価が可能であるか、また何を評価するか等、きわめて慎重に考えていかなければならないと思っております。いずれにいたしましても、職員の意識改革を図るには、人事評価制度は基本的には加点主義でなければならないと考えております。従来、ややもすると行政は、減点主義の傾向、すなわちやったことが結果として悪いと罰を受けるというようなことがあったかと思われます。今、時代は明らかに変わっております。
ハンセン氏病訴訟の判決にあったように、不作為の違法、やるべきことをやらなかったことが罰せられる時代であります。したがって、評価制度も新しいことにチャレンジしたことをまず評価する。そして、その結果が出た段階で、さらに加点する。失敗しても減点しないというような制度改革を目指していきたいと願いながら思っております。そうすることによって、職員が勇気を持って新しいことにチャレンジすることができるようになると考えます。そのためにも特に議員さんには御理解をお願いする次第でございます。
△議長(安藤久夫議員) 以上で加藤議員の質問を終わります。

飯能市議会のホームページより。

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